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Agent Based Modeling技術(1)

Agent Based Modelingとは(1)

今回は弊社が取り組んでいます、「Agent Based Modeling(以降ABMとします)」というシミュレーションアルゴリズムを活用した技術についてご紹介します。
先ず最初にABMとはどういうものかについて、簡単にご説明します。

ABMとはコンピューター・シミュレーションの方法であり、エージェントと呼ばれる行為者を多数モデル化し、それらを相互作用させることで、どのような社会状態が帰結するのかを検証する方式を用いたシミュレーション技法です。

一般的なシミュレーションは、過去の実績や経験などから導き出された計算式などをあてはめてシミュレーション結果を得るという事に対し、ABMはエージェントという個体を定義して自律性を持たせ、自身の意思決定ルールに従って行為を選択し、エージェントによって意思決定ルールは異なります。

エージェントには社会性・相互依存性が有り、エージェントが行為を選択する場合、自分以外のエージェントから何らかの影響を受けます。

多くの場合、エージェントの行為は、行為を選択する前と行為を選択した後の2つの影響を受けます。
自分以外のエージェントの行為によってエージェントの行為の帰結が変化しますので、ゲーム状況が成立している場合が、これに該当します。

エージェントには適応性・学習性があり、自身の行為の帰結や周囲のエージェントの影響により、その意思決定ルールを変更します。
またABM は、数理モデルと同じように、いくつかの仮定をもとにモデルを構築します。

しかし、ABM の特徴をもつが故に、数理モデルとして定式化しようとすると、多くの場合は、非常に複雑になり、解析的に均衡などを求めることが大変困難となります。

その場合には、パラメータサーベイ技法などのシミュレーションを行い、モデルから出力された数値結果に対し、統計的な分析を加えることで、モデルの構造を帰納的に明らかにしていきます。

要約すると、エージェントというモデルを多数定義して、個々のエージェントの振る舞いや影響にフォーカスしてシミュレーションを行うものです。

昨今では、感染症や災害の対策プログラムとしての活用目的として注目されています。

次回も引き続き「Agent Based Modeling」についてご説明します。