当社では、IoT黎明期より、農業IoTにおいて、数多くの実証実験や適用を行ってきました。
その中で、多くの成功と失敗を繰り返してきました。
ここでは、ハウスの農業IoTについて、現場適用の第一歩として考慮すべき代表的な事例を記載します。
農業IoTでは、植物が多くある場所にセンサを設置することになります。
植物は、水分を多く含むため、水が無線の電波を吸収します。
当社では、Sub-GHz帯 (920MHz帯 特定小電力無線)を使用していますが、それでも、水は電波を吸収します。
このような環境を考慮して、設置位置を決めることが非常に重要となります。
ハウスは、湿度の高い環境です。
ハウス内なので、雨が降ることはありませんが、多いときは湿度が100%近くに上昇します。
そのため、防湿環境を整えた機器を設置することが必要です。
センサノードは、エリア内の多くの場所に設置します。
例えば、CO2センサを設置する場合に、設置するセンサノードの数が少ない場合には、設置した1か所のCO2濃度しか見ることができませんが、実際には、植物の状況はエリア内の場所によって異なるので、センシング値も異なります。
このことが、センサノードを多点に設置する必要がある理由です。
Tele-Sentientでは、低コスト、低消費電力のセンサを多点に設置することを想定したプラットフォームとしています。
また、植物の状態を直接見ることはできません。
このため、複数のセンサデータを活用して、間接的に把握することが必要になります。
設置するハウスは、通常、離れた場所にありますし、特に設置業者は、一度設置した後、頻繁にハウスに行くことはありません。
これは、今となっては当たり前の話ですが、設置当初は、このような問題が起きることは想定していませんでした。
実運用では、急に停止するなど、様々な予期せぬ原因による問題に直面します。
その際に、機器一つの状況を把握するために、現場に行くことは、費用と時間がかかります。
このため、リモートモニタリングだけではなく、リモートメンテナンス環境を構築することで、遠隔保守することができます。
Tele-Sentientでは、遠隔モニタリングのこれまでの多くの事例を対策するように開発を行っています。
このように、多くの現場適用の実績から得られる課題を把握した上で、Tele-Sentientは開発を行っています。