前回は、屋外での生育環境の把握について説明しました。
前回記事:IoTで農業での人手不足解消支援
今回の記事では、農作物の生育に大きな影響を与える土壌環境の把握について説明していきます。
適切な土壌は、その土地や植物によって異なります。
土壌が農作物の品質、収穫量を左右すると言っても過言ではありません。
土壌センサによって取得することができる指標は、水分量、温度、電気伝導度といった要素が挙げられます。
これらの指標が適切であれば、適切な土壌であるとは一概には言えませんが、水やり、肥料の散布の時期など、ある程度、土壌環境の把握をすることができると考えられます。
指標 | 内容 |
水分量 | 植物が吸収することができる適切な水分が土壌に含まれているかの指標になります。 |
温度 | 植物それぞれが好む適正な温度になっているかの確認が必要になります。 |
電気伝導度 | 植物に与えられる窒素肥料が含まれる指標になります。 |
土壌センサに関しては、別途、記事でご紹介いたします。
CMエンジニアリング株式会社では、圃場の多点に土壌センサを設置して、営農支援のためのデータ収集を行いました。
圃場に土壌センサを設置した例を示します。
このセンサは、土壌水分量、土壌温度、土壌電気伝導度(EC)を測定することができます。
これによって、水やりの時期、栽培における土壌の最適な温度の把握、土壌電気伝導度測定による窒素肥料の状態の把握ができます。
上の写真は、実際の圃場で使用した土壌センサです。
この土壌センサは、土壌水分、温度、電気伝導度の3要素をすべて測定することができます。
このセンサをセンサノードに接続して、圃場の多点に配置して、Gatewayへ定期的にセンシングしたデータを無線伝送します。
上のグラフは、実際の圃場の3か所にセンサを設置して、モニタリングした結果です。
土壌の水分は、水やりのタイミングで増加して、徐々に減少している結果を見ることができます。
土壌温度は、1日の温度変化とほぼ連動していますが、ある程度保温性がある結果となっています。
土壌電気伝導度は、肥料と水分に左右されていますが、これを分析すると、肥料の状況を把握することができます。
このモニタリングでも、気象状況と同様に、グラフで見ているだけですが、これをどう解釈して、どのようなアクションにつなげていくかが重要になります。
これによって、土壌環境を遠隔で把握することが可能になりました。
この取り組みについての詳細を知りたい方は、是非、お問い合わせください。