IoTを活用することによって、どのような価値を創造することができるのでしょうか。
代表的なものとして、
などが挙げられます。
ここでは、IoTシステムによる収益向上について、トマト農家によるハウス農業での収益向上支援について見ていきたいと思います。IT農業と精密農業による収益向上を目指す例です。
あるトマト農家が、ハウス栽培において、トマトの収穫量を増やしたいと考えているとします。現在の収穫量は、毎年10a/25tであり、これを1.5倍の10a/37.5tにしたいと考えました。
どこを改善すると収穫量が増えるのかを考えたときに、CO2濃度の最適化について着目してみました。例えば、現在は、CO2濃度の制御は行っていない状況ですが、ハウス内のCO2濃度をIoTシステムで制御することによって、収穫量の増加を目指すことを考えます。
上の図は、トマト農家の考えた生育シミュレーションです。
植物の成長には、温度、日照量の制御も必要です。これに加えて、植物に直接作用するCO2濃度をハウス内で制御することで、収穫量増大の可能性が高まります。
といった状況を踏まえて出した結論は、CO2濃度を精密にコントロールすることによって、収穫量を1.5倍にすることができるということでした。
これを、IoTシステムを構築することによって実現できると考えました。
このシステムは、IoTによってCO2濃度を常時モニタリングして、CO2生成装置によって、制御の自動化を行うシステムです。
ハウス内にCO2センサを搭載したセンサノードを多数配置して、CO2濃度を計測します。
そして、そのデータをGatewayに無線転送します。
Gatewayでは、得られたCO2濃度によって、アクチュエータであるCO2生成装置を無線で制御します。
このシステムを導入した場合の損益計算書を出してみると、CO2生成装置導入による固定費、減価償却費、運用にあたっての燃料代、人件費などが増加すると考えられますが、収穫量が1.5倍になることによる1.5倍の収入増が見込まれます。ハウスの規模にも依存しますが、費用増加を補って余りある利益を得ることができるというシミュレーション結果になります。
実際には、他にも多くの要因がありますので、このような単純な計算ではないと考えられますが、IoTによるCO2濃度制御が収量増のキーポイントであるとした場合には、このような自律型IoTシステムは非常に有効です。
このシステムを実現するためのキーとなる技術は、CO2センサの小型化、低消費電力化、低コスト化です。つまり、多数のCO2センサを配置することで、より多面的な状況を把握でき、かつ、最適な環境制御ができるようになります。
現在のCO2センサは、消費電力化大きく、コストも高いものがほとんどです。これを低コスト、かつエナジー・ハーベスティングで動作するレベルまで低消費電力化することによって、導入しやすくなってきます。
Tele-Sentientは、このような自律型IoTシステムを実現できるプラットフォームです。
また、Sensor I/F LSIによるAFE技術とRAWレベルでのセンサを接続することによって、これらの低コスト、低消費電力の条件を満足するCO2センサ機能を搭載したIoTシステムが実現できると考えています。
当社では、このような自律型IoTシステムを実現するTele-Sentientを活用した共同アプリケーション開発パートナー、Sensor I/F LSIの開発、製造パートナーを募集しています。
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